
2009/12/25
原則的に抜けたまま、抜いたままではいけないです。患者さんのお口の中で抜いたまま、特に一番奥の歯の1本抜けたままの状態を見ることがあります。どうして歯を入れなかったのですか?と聞くと歯科医院で特に説明がなかった、別に不自由ないからそのままにした、歯を入れるのがむずかしいと言われた、一本くらいいいだろうと思った、etc 様々な理由で欠損のままの状態を目にします。さらに複数の歯が欠損したままの人も見かけます。
確かに痛くなければ、不自由を感じなければ、抜いたままになってしまうかもしれません。また、歯を入れても逆に不自由を感じてしまえばとってしまうのかもしれません。ただ歯を入れて不自由を感じたり痛みを感じてしまうのは別の問題なので歯を入れなくて良い理由にはなりませんね。
歯を入れないといけない理由は、お口の中の機能低下を起こすという事(自覚あるなしかかわらず)、残っている歯がこわれてくるという事。例えば指を一本ケガしたとします、手を使うのに不自由ですよね。ケガをしていない時と手の使い方がかわりますよね。お口の中も抜けたままにしておくと食べ方がかわってしまいます。例えば、自分では主に右で咬むことが多いと思っていて左の歯が1本抜けても左ではほとんど咬まないから歯を入れなくていいやと思っている人がいたとします。しかし左の歯に欠損を生じる前と後では同じ右で咬むという動きも変わってしまうのです。主に食べ物を咀しゃくする部分の歯のみでは咀しゃくすることは不自由なのです。?? 反対側の歯の存在があって初めて咀しゃくできるのです。(少しむずかしかったですね(笑))
人の歯はそれぞれ前歯、犬歯、小臼歯、大臼歯と異なる役割があって、その役割が失われれば、他の歯がその分まで働かないとなりません。仕事量がオーバーしてしまうのです。なので欠損が他の歯をこわし、さらに欠損が増え、また1本と歯を失っていく悪循環におちいるのです。欠損が1本のみでそのまま一生を終える事が出来れば歯を入れなくてもよいかもしれませんが、ほとんどの場合、1本欠損のままいける事はありません。
それゆえ、歯を入れる方法論(入れ歯、インプラント、ブリッジ)は別にして、ただちに歯を入れるようにしましょう。そして残っている自分の歯を少しでも長く使えるようにしたいですね。
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