
2011/3/18 更新
今回は虫歯になってほって穴があいた歯を治していくのに、つめ物をしたり、かぶせたりしますが、その材料についてお話します。どういう材料が良いのかを考えると、もとの天然の歯と同じ物がベストですね。しかしこれは今現在存在しないので、それに近い物という事になります。見た目と機能の双方の視点でまず
見た目、これはあたり前に白い方が良いに決まっています。白い物には大きく分けてレジン(硬いプラスティック)、ハイブリッドセラミック、セラミックの3つがあります。同じ白でもこの3種類では見た感じが違います。質感、透明感、自然感、経年的な色の変化、天然歯の色調の再現性、etc 優れている順番にセラミック→ハイブリッドセラミック→レジンの順になります。またつめるのか、かぶせるのか?前歯なのか、奥歯なのか?修復の仕方、歯の位置によっても選択の余地があります。ただ保険診療内ではレジンしか使えません。白くない物には金属があります。いわゆる銀歯、金歯、ともに見た目では劣ります。保険診療内では銀歯(金銀パラジウム合金、アマルガム)になります。この金銀パラジウム合金は次の機能の所でも触れますが、かなり硬い金属になります。型をとって作る金属です。アマルガムはその場でつめる事の出来る金属ですが、銀とスズの合金なので残留水銀、経年劣化の問題があります。
機能を考えてみると、つめる、かぶせる材料と歯の適合に関してはセラミックよりゴールド(20k程度)また貴金属に軍配が上がります。次に物性をみると天然歯の物性に近い事が望ましいわけですが、天然歯の特徴として「すりへる」というのがあります。やわらかくすぐすりへってしまうとか、硬くてすりへらないとかではなく、ちょうどよく「すりへる」をいう具合を考えると、やはりセラミックよりゴールド(20k)のほうに軍配が上がります。保険で認められている金銀パラジウム合金は硬すぎます。
以上、見た目(審美的)と機能の両面をみるとセラミックとゴールド双方に優れた面があり、見える所、機能重視の所、患者さんの価値観、さまざまな判断基準により選択をしていく事になるでしょう。ただ以前にも述べましたがあくまでも診断、それに基づく治療計画、精密な治療が大事かつ必要であって、材料のみ良い物を使っても効果は半減されると思います。
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