
2012/2/27 更新
前回、自分の口の中の状態を把握していない人が多くいると述べましたが、今まで治療歴がほとんどない人は把握していなくても無理もないでしょう。痛みもなく不自由を感じていなければ歯医者に行こうとは思わないでしょう。しかしわりとそこに落とし穴があるように感じます。というのは、今まで治療歴がほとんどない人は虫歯ができなかった人でしょう。そういう方がいわゆる最も歯を失う原因である歯周病のリスクが高いと思われます。
もちろん虫歯で歯を失う場合もありますが、現在では歯周病で歯を失う人の方がはるかに多く見られます。虫歯にならない全く無傷の歯が抜けてしまうのです。その理由に虫歯・歯周病になる最終ステージにおける細菌感染の場合において、両者の原因菌が異なる為です。虫歯菌は酸素を好み、歯周病菌は酸素を嫌うのです。なので虫歯になりやすい人は歯周病になりにくく、歯周病になりやすい人は虫歯になりにくいという相関が生まれます。
それゆえ今まで虫歯にならず歯医者に行かなかった人も、もしかしたら逆に歯周病が進行してしまっているかもしれません。さらに治療としては虫歯よりも歯周病の方が厄介です。虫歯の治療は歯が根だけになってしまっても修復出来ますが、歯がこわれず歯のまわりの組織(歯周組織)がこわれてしまう歯周病は修復するのがとても困難です。
TVコマーシャルで見る歯周病用の歯磨剤とか歯ぐきの為の何たらとかいう歯磨剤など薬用成分入りの歯みがき粉、極細毛の歯ブラシetcなどで歯周病が治る事はほとんどないでしょう。そんなもので歯周病が治るなら歯医者はいりません(笑)。歯周病の原因もたくさんあって以前にも述べましたがブラッシング下手とかそんな単純な原因で発症するものではないので一度プロの目で診察してもらって、何が原因で歯周組織がこわれてしまったのか、何を改善していく必要があるのか聞いてみては?
そんな事で歯周病になってしまうの?みなさんの想像もつかない事が原因で歯周病になってしまっている事があるかもしれません。
というわけで、軽い気持ちでたまには歯医者に行ってみる事をおすすめします。
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