
2010/7/14 更新

痛くない所や、痛くなったことがないのに、『むし歯ですね』と言われた経験のある方、たくさんいらっしゃるのではないでしょうか?
そんな時、どんな気持ちでしょうか?
・本当にむし歯なの?
・治療しなければならないの?
・様子をみてもいいのかしら?
・痛くないから、痛くなったらでいいや。
などなど、特に症状のない場合は、むし歯と言われても、あまり実感がわきませんよね?
しかし、意外かもしれませんが、痛みは病態のバロメーターには必ずしもならない時もあるのです。むし歯とは歯質がやわらかくなってしまっている状態です。
軟化がじわじわとゆっくり進んでいる場合では、それほど痛まないこともめずらしくありません。痛くなってしまった時には、だいぶむし歯が進んでしまっていることもあります。
一番痛む時は、エナメル質が力によって壊れる瞬間と進行しきって歯髄(神経)に炎症が起きた時です。神経の生きている歯では、初期の段階で甘い物や冷たい物がしみる症状が出ることもありますが、それも全く出ない場合もあります。
“むし歯=痛み”ではないのです。
では、むし歯は全部治した方がいいのでしょうか?
視診、触診、レントゲン等の診査をし、むし歯の大きさを確認し、エナメル質のみのむし歯の場合には、経過観察でも良いと思います。C1と呼ばれるエナメル質のみのむし歯の場合は、再石化し、治る場合もありますが、それよりひどくなってしまったむし歯は、進行しない場合もありますが、治ることはありません。
神経の生きている歯のむし歯は大きくなると神経をとらなくてはいけなくなってしまいます。神経をとる処置になると1本の歯で6,7回治療がかかってしまいます。初期の状態であれば、1,2回の処置で終われるのです。
神経のない歯でも、むし歯になります。この場合は、神経のある歯のような、冷たい物がしみるなどといった痛みは出ずに、むし歯が進行してしまうので、わからない間にどんどん進んでしまい、気づいた時には、だいぶ進んでしまっていて、抜歯になってしまうこともあります。
私達は、痛みがなくても、患者さんが最小限の処置で済むように、早めの治療をおすすめしているのです。
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